スズをメッキした鋼板
プロローグ
筋金入りの金属プレス加工スタジオ
ひと休みする気配すらない機械音の中に、心地いい金属音が小刻みに響いていた。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
金属と金属がふれあう音色は、やたら賑々しくもあり、どこか懐かしい。
ここは、目の前の道をイロトリドリの大型トラックが人より多く行き交う東大阪。
端から端まで「真っ青」な、自己主張で塗り固められた外観の工場で、
「ブリキ」という名の金属のセッションが日々繰り返されている。
筋金入りの金属プレス加工スタジオ
ひと休みする気配すらない機械音の中に、心地いい金属音が小刻みに響いていた。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
金属と金属がふれあう音色は、やたら賑々しくもあり、どこか懐かしい。
ここは、目の前の道をイロトリドリの大型トラックが人より多く行き交う東大阪。
端から端まで「真っ青」な、自己主張で塗り固められた外観の工場で、
「ブリキ」という名の金属のセッションが日々繰り返されている。
気心知れた友人とバンドを組んでいた学生時代、僕の相棒はドラムだった。
演奏中はいつも、左足で小刻みに鳴らす「ハイハットシンバル」の音がたまらなく好きだった。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
この工場に朝夕絶えず響く音色が心地いいと思えるのは、きっと、あの頃の記憶がよみがえってくるからにちがいない。
耳朶に触れる金属音やいくつもあるプレス機のビートは、僕の「真っ青」な少年時代を思い起こさせる、青春の音色だ。
薄い鐵の板を自由自在に操り形づくるこの町工場は、元ドラマーの僕にとって居心地のいい職場であり、言ってしまえばライブハウスでもある。
寸分の狂いなく、一定のテンポで、良質の音楽を届けることから、良質の製品を届けることに、僕の使命や生き甲斐は変わった。
だけど、やるべきことは、昔も今も変わらない。そう思えるのは、誰かの喜ぶ顔が見たいと思うから。たぶん、これに尽きる。
僕の職場は、モノづくりの町、東大阪の三幸プロダクツ株式会社。
鐵の板からあらゆるモノをつくり、あらゆるヒトの日暮らしに、さり気なく関わりつづける会社。
やってることは、ステージの一番前に立つボーカリストとはちょっと違う。
どちらかと言えば、僕が叩いていたドラムと同じ、バンドの中ではちょっと地味で、下支え役の“リズム隊”なんだと思う。
それでもいい。なくてはならない存在なら、それでもいい。
ある日の休み時間、ふと、「三幸プロダクツの“三つの幸せ”ってなんだろう」と考えたことがある。
ひとつは、僕たちが自信を持って送り届けた製品を受け取ってくれる「お客さま」の幸せ。
ふたつ目は、たくさんの人のためになる製品として、どこかで日の目を見る「鐵の素材」そのものの幸せ。
そして最後に、みっつ目の幸せは、この場所で「働く人」の幸せ。作り手である、僕ら職人の幸せ。
明日もまた、いつものリズムで、いつものテンポで、いつも通りの音を奏でながら、見ず知らずの誰かの幸せのために…。
僕は、この場所で、変わらぬビートを刻みつづける。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
プロローグ
筋金入りの金属プレス加工スタジオ
ひと休みする気配すらない機械音の中に、心地いい金属音が小刻みに響いていた。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
金属と金属がふれあう音色は、やたら賑々しくもあり、どこか懐かしい。
ここは、目の前の道をイロトリドリの大型トラックが人より多く行き交う東大阪。
端から端まで「真っ青」な、自己主張で塗り固められた外観の工場で、
「ブリキ」という名の金属のセッションが日々繰り返されている。
三幸プロダクツの強み
- 名前 ブリキ幸太郎
- 身長 35cm
- 性別 男の子
- 彼女 スズちゃん
- 趣味 リサイクル活動
- 性格 熱しやすく冷めやすい
- 特技 自由自在に変身できる
- 口癖 イチ、ニ、サン、コー!
筋金入りの金属プレス加工スタジオ
ひと休みする気配すらない機械音の中に、心地いい金属音が小刻みに響いていた。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
金属と金属がふれあう音色は、やたら賑々しくもあり、どこか懐かしい。
ここは、目の前の道をイロトリドリの大型トラックが人より多く行き交う東大阪。
端から端まで「真っ青」な、自己主張で塗り固められた外観の工場で、
「ブリキ」という名の金属のセッションが日々繰り返されている。
気心知れた友人とバンドを組んでいた学生時代、僕の相棒はドラムだった。
演奏中はいつも、左足で小刻みに鳴らす「ハイハットシンバル」の音がたまらなく好きだった。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。
この工場に朝夕絶えず響く音色が心地いいと思えるのは、きっと、あの頃の記憶がよみがえってくるからにちがいない。
耳朶に触れる金属音やいくつもあるプレス機のビートは、僕の「真っ青」な少年時代を思い起こさせる、青春の音色だ。
薄い鐵の板を自由自在に操り形づくるこの町工場は、元ドラマーの僕にとって居心地のいい職場であり、言ってしまえばライブハウスでもある。
寸分の狂いなく、一定のテンポで、良質の音楽を届けることから、良質の製品を届けることに、僕の使命や生き甲斐は変わった。
だけど、やるべきことは、昔も今も変わらない。そう思えるのは、誰かの喜ぶ顔が見たいと思うから。たぶん、これに尽きる。
僕の職場は、モノづくりの町、東大阪の三幸プロダクツ株式会社。
鐵の板からあらゆるモノをつくり、あらゆるヒトの日暮らしに、さり気なく関わりつづける会社。
やってることは、ステージの一番前に立つボーカリストとはちょっと違う。
どちらかと言えば、僕が叩いていたドラムと同じ、バンドの中ではちょっと地味で、下支え役の“リズム隊”なんだと思う。
それでもいい。なくてはならない存在なら、それでもいい。
ある日の休み時間、ふと、「三幸プロダクツの“三つの幸せ”ってなんだろう」と考えたことがある。
ひとつは、僕たちが自信を持って送り届けた製品を受け取ってくれる「お客さま」の幸せ。
ふたつ目は、たくさんの人のためになる製品として、どこかで日の目を見る「鐵の素材」そのものの幸せ。
そして最後に、みっつ目の幸せは、この場所で「働く人」の幸せ。作り手である、僕ら職人の幸せ。
明日もまた、いつものリズムで、いつものテンポで、いつも通りの音を奏でながら、見ず知らずの誰かの幸せのために…。
僕は、この場所で、変わらぬビートを刻みつづける。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン…。